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魅惑な小悪魔 あとがき

ご愛読、ありがとうございました!

魅惑な小悪魔はこれで終わりです

不定期で、読んでいる皆様にはご迷惑をおかけしたかと思います

でもなんとか終わりまで書けて、嬉しいです

これからもなかなかアップできず、苛々させてしまうかもしれませんが、『次の話が気になる!』そう思われるような作品が書けていけたら幸いです

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魅惑な小悪魔19

「ごめん、失敗した」

 夕飯に炒飯を作ったはずの陽介。皿の上には焦げたご飯がパラパラと盛ってある。

「やっぱり今夜は外食ね」

 肩をすくめる麻衣に、陽介は頭を掻く。

(絶対、成功すると思ったんだけどな)

 炭に近いご飯を、寂しそうに三角コーナーに捨てていく。

「岡田の店は嫌だからな」

 外出の準備を始める麻衣の背中に向って陽介は声をあげる。

 洗面所で化粧をなおしている彼女は、不思議そうな顔をして鏡越しに自分の顔を見つめた。

「どうせ報告するんだろ? 今日のこと。あいつに茶化されるのは嫌だからな」

「別に好きな人を聞いただけでしょ。付き合ってないじゃない、私たち」

「は?」

 麻衣の後ろで、壁に寄りかかっていた陽介は声を上げる。

(違うのか?)

「私、付き合おうって言われてない」

「言わないといけないのかよ」

 麻衣はニヤリと微笑むと、陽介の顔を見上げた。

「言ってくれるの?」

「…言わないね」

 プイっと横を向くと、陽介は彼女から離れて玄関に向う。

「絶対、言わない。言ってやるものか」

 強い口調で言う陽介。

 玄関の靴箱を開けると、私服のときに履くラフな運動靴を手に取った。

 麻衣が自分の部屋に行って、鞄を持ってくる頃には陽介は玄関の前で靴を履いて立っていた。

「結婚するか?」

 どの靴を履いていこうか迷っている麻衣に向って、陽介は独り言のように小声で言った。

「嫌よ」

 決死の思いで言った言葉はあえなく撃沈する。

「プロポーズするなら、大きなダイヤの指輪くらい用意してよ」

「は?」

「じゃなきゃ、私、結婚しない」

「失礼な女だな。俺からいくら巻き上げれた気が済むんだよ」

「全財産。私が好きなら、それくらいのことはしなくちゃね」

 ウインクすると麻衣は、ローヒールの赤い靴を履いた。

「今夜は岡田さんのお店ね」

「嫌だね」

 陽介は、ため息をつくと、以前に彼女が言っていたことを思い出した。

「そう言えば、お前の目標って『魅惑な小悪魔』だったな」

 麻衣はにっこり微笑んで玄関を飛び出すと、陽介に振り返った。

「覚えてたんだ。あの時の言葉」

「あ~、変な女を好きになったもんだぜ」

 陽介はポケットに片手を入れると、家の鍵を出した。

 腕に絡みつく、麻衣の体温を感じながら、陽介は、流し目をして自分をからかうであろう岡田の顔を想像した。

(今夜は苛められてやるか)

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魅惑な小悪魔18

「麻衣?」

 ディスプレイに表示されていた名前に驚きの声を上げる。

 同じ家にいる相手からの電話だ。

 用事があるなら、直接部屋に来てくれればいいのに…。

(俺のせいか)

 鳴りっぱなしの携帯を持ち、陽介は部屋を出て行った。

 居間のソファに座って電話をかけている彼女と目が合うと、陽介は携帯を掲げる。

「用事は何?」

「うん…」

 麻衣は携帯の呼び出しをやめると、下を向いて悲しげな顔をする。

(何かあったのか?)

 陽介は床に胡坐をかくと、彼女の表情を伺った。

「今日、外食しない?」

「具合でも悪いのか?」

「違うけど…」

 麻衣は落ち着きなく、手をいじり始める。

 一体、どうしてしまったのか。

「じゃ、今夜は俺が作るよ」

 陽介は立ち上がると、冷蔵庫の前に行く。扉を開けて、中を見ると食材がぎっしりと入っている。

(買い物をし忘れたから…って理由でもなさそうだな)

「陽介って、今、好きな人いるの?」

 麻衣は暗い声で質問をしてきた。

(きちんと話さないと、な)

 陽介は冷蔵庫の扉を閉めると、麻衣の隣に腰を下ろした。

「いるよ」

「え?」

 彼女は顔を上げると、隣にいる陽介の顔を見る。

「突然、家に転がり込んできたヤツ」

 にっこり笑うと、陽介は麻衣の肩を抱いた。

「ごめん、俺が悩ませたんだよな。恥ずかしくてさ、酔った勢いでしか、麻衣を抱けなかったことが。格好悪いだろ」

「酔った勢いでも嬉しかった。でもそれから急に冷たいから…後悔してるんだと思って」

「後悔してるよ。今度は酔ってないときに誘ってくれよ」

 冗談交じりに笑みを浮かべる陽介。

 しかし麻衣は、瞳を閉じると、陽介の胸に寄りかかった。

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